道草記

思考の掃き溜め

DYNAMIC CHORD feat.Liar-S Append Disc についての雑記(あらすじ編)

まず初めに断っておくと、私は乙女ないし女性向けコンテンツの愛好者ではない。むしろ女性同士でくんずほぐれつする図に興奮するタイプの人間である。

数年来アニメというものを見ていなかったところに2017年秋アニメであるところのDYNAMIC CHORDに触れ、そのダイナミックさに御多分に漏れず中毒となり、みんな大好きルシファー等の原作情報に触れるうちに原作ゲームへの知的好奇心に近い興味を持った(のとAmazonでセール価格になっていた)ことから当該作品を購入するに至った。白状するとゲームの前にドラマパート付き楽曲CDを買って不覚にも性癖を抉られてしまったキャラがいるというのもあるのだが。

そのため、真面目なゲームのレビューを求めて訪問された乙女諸姉においてはブラウザバックを強くお勧めする。あとネタバレ全開の記事になるので、初見のダイナミックさを味わいたいという未来の原作プレイヤー各位にもそっ閉じをお勧めする。

 

乙女ゲーに触れるのはこれが人生初である。というかそもそもノベルゲーと言えるようなものは「その花」しか触ったことが無いし、何なら今までまともにプレイしたと言えるゲームはポケモンカービィハム太郎(と散発的な任天堂作品を2,3タイトル)および連縁projectシリーズ、FGOぐらいであり、この手の作品は未知の領域というか本来であれば私の興味嗜好の真逆を行く存在だった、はずだ。去年の私がこの有様を知れば必ずや「なんで?なんで???」と膝から崩れ落ちることだろう。

そんな未知の世界に踏み入るつもりで手を出した原作Liar-S編であるが、掲示板等で語られていたように確かにふんだんなハード&ダーク要素に衝撃を受けながらも、牧歌的な作風のアニメとのギャップだけでなく純粋にこのゲームのストーリーそのものも楽しめた。多少のメンタルの強さがあればアニメダイコーファン諸兄でも十分楽しめるのではないかと思う。

 

そんなわけで、以下内容についての解説及び感想。

 

本作はDYNAMIC CHORD4部作の中でもアニメの村祭り夏編を担当していたバンド、Liar-Sを対象としたストーリーである。アニメから考えるとレヴァフェから攻略するのが妥当な気がしなくもないが、ストーリー的には他バンドから独立しているらしく、精々「KYOHSOというバンドがある」という言及が数回される程度で、本作からプレイし始めても特に説明不足を感じることは無かった。というか共通部分でじっくり人物やストーリーの背景について説明してくれるので、アニメから入った私は「説明が多すぎるのでは?」と錯覚してしまった。

 

あらすじ(共通部分のストーリー)は以下の通りである。

主人公(プリセット名:双海仁菜)は箱入り娘のお嬢様であり、親の敷いたレールをただ走るような人生を送っていた。そんな不自由こそなけれど平坦な温室ライフに違和感を覚えた彼女は、大学進学に際して親の意向に反し、自分の決めた進路で進学することに成功する。しかし大学生活にも慣れて暫くした頃、主人公は親によって半ば無理矢理2年間の留学を決められてしまう。やはり親に逆らえないという無力感と留学への不安を抱える中、主人公は親友である雨宮詩央(アニメ不参加)に誘われてロックバンドのライブを生まれて初めて聴きに行き、そこで'S-leeper'というバンドの演奏に強く心惹かれる。ライブが終わると突然知らない番号から電話が掛かってくるが、その電話の主は同じ大学の学生であり、かつて親同士の付き合いで顔を合わせたことのある結崎芹(俗称:偽ドヤム)だった。主人公は男性との対面が苦手なこともあり芹のことをあまり覚えていなかったが、芹は彼女のことをよく覚えており、久しぶりに話がしたいとバンドメンバーとの打ち上げの場である公園に呼び出す。戸惑いながらも公園に向かった主人公は、芹と共に、彼の仲間であるヴォーカリスト兼ギタリストの檜山朔良(俗称:ドヤ飯、ナポリ太郎)、ギタリストの珠洲乃千哉(俗称:ウクレレくん、妖怪ウクレレあやし)、ベーシストの槇慎也(アニメ不参加)と出会う。彼らこそがS-leeperのメンバーだと知ると主人公は感激し、メンバーたちに率直に感想を述べ、話を弾ませる。バンド活動を楽しむ彼らの姿を見て、「一方で自分には熱を注ぐものが何も無い」と虚しさを覚えた主人公に、朔良は「他者に作られた環境の中でも諦めずに自分の夢を探していけば、必ずいつかはその夢に向かって自分の力で進む強さを持てる」と励まし、自分にとってのその夢は「プロとなってS-leeperの曲をより多くの人に聴かせること」だと語る。S-leeperの音楽と朔良の言葉に勇気づけられ、主人公は留学先であるカナダへと発った。

留学から帰ってきた主人公は、自分の留学中にS-leeperがバンド名とベーシストを変え、'Liar-S'としてメジャーデビューし今や絶大な人気を誇っていることを知る。新顔のベーシストである榛名宗太郎(俗称:ネキニキ)は主人公と同じ学部であり、同じ講義を受けていたことから親交を持つ。帰国祝いとして詩央からチケットをもらった主人公は、期待に胸を弾ませLiar-Sのライブに向かうが、そこで聞いた演奏には留学前の演奏に感じた情熱や結束力が感じられなかった。帰宅の途中、「ライブの感想を聞かせて欲しい」と電話を掛けて来た芹に対し、主人公は演奏に違和感を感じたと伝える。それを聞いた芹は翌日主人公をLiar-Sのメンバー達に対面させ、演奏の質が下がったことを見抜いた彼女をLiar-Sの楽曲や演奏のアドバイザーとなる「トモダチ」とすると宣言する。朔良と千哉は主人公と芹に対して不信と不快感を露わにし、唐突な提案に宗太郎も困惑する。主人公を拒絶したまま朔良と千哉が退出すると、芹と宗太郎は「Liar-Sはデビュー曲の発表以降、その演奏よりもルックスを買われるようになった」「演奏を正当に評価されない虚無感から、朔良と千哉は演奏に手を抜くようになった」「自分たちは内輪の立場であるからか、どうにか奮い立たせようとしてもまともに取り合ってくれない」「故に、(客観的な立場から)演奏を正確に評価しつつ、なおかつ彼らの現状の無力感を癒せるような存在=トモダチを欲している」ということを明かす。主人公は突飛な提案に当惑しつつも、かつて自分を奮い立たせてくれた彼らの音楽、そして彼ら自身のためにできることがあるならと芹の「トモダチ」計画への協力を決める。

 

ここまでが全体的な背景になるが、太字部分の「Liar-Sはルックスという上辺ばかりが評価され、楽曲や演奏を真剣に聞いてもらえないフラストレーションから(主にヴォーカルとして前面に立つ朔良と作詞作曲を担う千哉が)不和を起こしている」という点がストーリーの骨子となる。(なお、この点はアニメでのLiar-S失踪の理由につながる)

この後、千哉や朔良に話しかけようとしては超絶怒濤の塩対応で拒絶されたり朔良に強姦未遂される中ルート選択肢が計3回出現し、脇目を振らなければ個別ルートに突入する。脇目を振ると共通BADを迎えるが、これについては某個別編で。

 

個別ルートについての解説については別項にて。

プレイしたのは千哉→芹→宗太郎→朔良の順だったが、Liar-S全体のストーリーとしては千哉→朔良→芹→宗太郎と見ていくのが順当だと思われるので、この順番で書いていく。

 

千哉編

朔良編(執筆中)

芹編(執筆中)

宗太郎編(執筆中)